作りっぱなしにしてて記録まとめるの忘れてたので慌ててアップ。
ある日、「てとて」仲間のちえちゃんから「友だちが訪問で鍼をやるんだけど、施術するときに患者さんに着てもらうものを作ってほしいんだって、お願いできるかなぁ」と相談された。
話を聞くと「背中を施術するときに、着てるものを脱いでもらうのではなく、着てるものの背中を開けたい」のだそうだ。
どうやら、市販のものでは彼女の望むものがないらしい。彼女の師匠のとこでもオリジナルで作ったくらい。
さらに、使用する生地は肌あたりの良いダブルガーゼがよいそうだ。
そりゃ、市販のものではそういうの、ないだろうねぇ。でも、ないなら作ればいいじゃない♪ 自由に好きなものが作れるのが、ハンドメイドのよいところ。
てなわけで、まずはヒアリング時のイメージで試作。
シーズン外れの柄付きのダブルガーゼが半額になっていたので、本体はそれを使うことに。
端の始末は、寝てもゴロつかないようにバイアステープでくるむことに。
背中の開きも、寝たときにゴツゴツ当たらないよう、プラスチックのスナップを使い、引っぱっても大丈夫なように綿とかアクリルの薄手のテープをたたくことにした。
できあがった試作はこれ。パターンは甚平とか浴衣を参考にしてみた。

柄がアレなのでムームーみたいですが…。
確かに、ダブルガーゼは肌あたりがやさしくて着ていて気持ちがいい。
ただ、丈は長いし、前開きの紐の位置が微妙。
やっぱり、彼女から見本を借りて、パターンをおこすことにした。

本番用の生地は、彼女が気に入ったというダブルガーゼから、紫色をチョイス。…だって、個人的に好きな色なのに、在庫がたくさんあったんだもん。2着作るので6m買った。
その色に合わせて縁取り用のバイアステープ2種類と背中用のテープを購入。
前と背中が開くということは、どっちも開けてしまうと左右の見ごろがバラバラになってしまう。
バラバラになったときに困らないように、1着は無地のバイアステープ、もう一着は水玉のものを使うことにしたのです。
いくら寸法を同じに作っているといっても、縫っているうちに多少は大きさがかわったりするから、洗濯した後とか左右を合わせたら丈が合わない! ってこともなくはないからね…。
基本的に直線縫いオンリーなので、手をつけ始めると割とさくさく出来上がる。スナップ付けるのは面倒だけどね…(苦手なのよ、ボタンとかスナップ付け)。
布が少し余ったので、持ち運び用の巾着袋も作りました。
で、出来上がりがこちら。

ガーゼって織りが甘いからブロードでできたバイアスでくるんだら強度の差で着ているうちにバイアステープだけが外れてしまいそう。でも、端は丈夫な布でくるみたかったしなぁ。本来なら、本体の生地を使ってバイアステープも作ればいいんでしょうけどね。巻き三つ折りで仕上げても意外とゴロゴロしないのかもしれないしなぁ。次回の課題だな。
ちえちゃんから「周りでソーイングやってる友だちとかにもちかけても、みんな『他人のものなんて作れない』って言うんだよね〜。受けてもらえてよかったよー」と言われたんです。
確かに私も、スカートとかワンピースを作ってくれって言われたら、「無理ー」って断ってたと思う。
その人の好みとかサイズに合わせて作るのって、難しいし。
今回は「使うもの」だからお受けできたのでした。
それに、いちおうデザイン業界の端っこの方にいる身として、他人の要求に応える「使う」ものを作ることには慣れてるから抵抗が少なかったのでしょうねー。
これを着て彼女の鍼治療を受ける人が増えるといいな。応援してますよ〜。
※仕上がって洗濯して外に干したら、スズメバチがしがみついてて大慌て…ってこともありました。今思い出しても寒気がしますわ。